2015/11/14:お酒にかかわるコラム
フルーツとシャンパンのカクテル(その1)
第二次世界大戦末期のナチスドイツに略奪された美術品を奪還する特殊部隊「モニュメント・メン」を題材にした映画「ミケランジェロ・プロジェクト」も公開されていますが、芸術の秋、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。
BARの世界でも芸術の秋を満喫していただくことができます。
実は、フルーツジュースとシャンパンのカクテルには、芸術家の名前がついているものが多いんです。今回から、2回に分けてフルーツジュースとシャンパンのカクテルをご紹介いたします。今回は、「ヴェネツィア」派の画家の名前のカクテルです。
☆BELLINI(ベリーニ)
シャンパン(スパークリング・ワインでも可)…2/3
ピーチ・ネクター…1/3
グレナデン・シロップ…1ダッシュ
ハリーズ・バーの経営者ジュゼッペ・チプリアーニ(Giuseppe Cipriani)氏作。
1948年、イタリアのヴェネツィアでの「ベリーニ展」開催にちなんで作られたカクテル。
ジョヴァンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)1433年-1515年
ヴェネツィア派の始祖であるヤコポ・ベッリーニの庶子(正妻でない女性の生んだ子)で、ヴェネツィア派という画派を確立した巨匠。作品は色彩豊かで情緒溢れる柔軟性に満ちた画風で、キリストを主題とするなど宗教的なものが多い。
代表作
etc.
☆GIORGIONE(ジョルジョーネ)
シャンパン(スパークリング・ワインでも可)…2/3
スイカ・ジュース…1/3
このカクテルは、青山にある「バー・ラジオ」の命名だそうです。
ジョルジョーネ(Giorgione)1477年-1510年
16世紀に活躍したヴェネツィア派の巨匠で、初期ルネサンス様式から逸脱し、盛期ルネサンス様式を確立した人物。繊細かつ豊潤な色彩表現と共に、主題や物語をありのまま表現するよりも、その主題に潜む人物の内面や心象の表現、また風景の情緒的な描写に秀でていた。ジョルジョーネは若くしてこの世を去っている為、画家の生涯については、ほとんど知られておらず、作品数も少ないが、『眠れるヴィーナス』など未完に終わった作品は、共にジョヴァンニ・ベッリーニの工房で学んだ盛期ルネサンス期ヴェネツィア派最大の巨人ティツィアーノなど後世の画家が完成させたとされている。
代表作
etc.
☆TIZIANO(ティツィアーノ)
シャンパン(スパークリング・ワインでも可)…2/3
グレープジュース…1/3
このカクテルは、「ベリーニ」のバリエーションとして、「ベリーニ」と同じくフィレンツェのハリーズ・バーで生まれた。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ (Tiziano Vecellio)1488年-1576年
盛期ルネサンス期に最も活躍したヴェネツィア派の巨匠。同画派の確立者ジョヴァンニ・ベッリーニの工房にて画業を学び、兄弟子であったジョルジョーネの多大な影響を受ける。88年というルネサンス期に活躍した画家の中でも最も長い生涯を送ったティツィアーノの画業は、ヴェネツィア派最大の巨匠の名を残すに相応しく華々しいものであった。また、ティツィアーノの作風は生涯にわたり変化し続け、ヴェネツィア派最大の特徴である色彩の魅力を存分に発揮し、その鮮やかに彩色された色彩は≪色彩の錬金術≫とまで呼ばれることとなった。
etc.
☆VERONESE(ヴェロネーゼ)
シャンパン(スパークリング・ワインでも可)…2/3
キウイ・ジュース…1/3
このカクテルは、青山にある「バー・ラジオ」の命名だそうです。
パオロ・ヴェロネーゼ (Paolo Veronese)1528年-1588年
ティントレットとならぶ16世紀ヴェネツィア派を代表する画家。アントニオ・バディーレの下で修行し、ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノや、エミリア派のコレッジョら多くの影響を受けながら、独自の作風を確立していった。不自然なまでの誇張や非現実的な構成を要しながらも、明暗対比を抑え、画面の中に明るい光彩を置くことを得意とした。また宗教画の中にさえ世俗性を表現することも大きな特徴で、その世俗性が原因で、物議を巻き起こしたこともあった。
代表作
etc.
『ヴェロネーゼ』以外のカクテルは、「Bar Atrium en」「Bar Caelum」の両店で、季節に応じてお楽しみいただけます。
参考サイト:サルヴァスタイル美術館→http://www.salvastyle.com/
フルーツとシャンパンのカクテル(その2)へ続きます→http://schwan.jp/?p=334